ソフトテニスの後衛は、チームの土台を支える非常に重要なポジションです。
試合の流れをつくるラリー力、攻めに転じるタイミングの見極め、相手後衛との駆け引きなど、プレーの中で求められる役割は多岐にわたります。
今回は、基本的なショットやフットワークがすでに身についている選手が、さらに一歩上のレベルを目指すために意識しておきたい後衛の重要なコツを10件お伝えします。
後衛のラリーで重要なのは、ただ返すのではなく「どこに、なぜ打つのか」を常に考えることです。
配球には多くの要素が絡みます。
相手前衛の位置、相手後衛の打点や打球の質、風向きなど・・・
例えば、ストレート側に深く打つことで、相手前衛の動きを制限することができます。
また、バック側への浅いボールは、相手後衛の体勢を崩すきっかけになります。
配球に目的を持ち、ラリーの主導権を握りましょう。
後衛にとってのチャンスボールは、前衛が動きやすくなる展開にもつながる重要な場面です。
ネットに近い浅めのボールや、相手後衛の体勢が崩れたときなど、攻めるべきタイミングを的確に見極めましょう。
攻める際にはミスを恐れず、思い切りよくコースを突いたショットを打ち切ることが求められます。
特に、逆クロスやストレートへの打ち分けは、攻撃の幅を広げるために不可欠なスキルです。
後衛が安定したプレーを続けるには、自分の打点をどれだけ一定に保てるかが大きな鍵を握ります。
フォア・バックともに、理想の打点でボールを捉えるには、打球の予測とフットワークの両方が必要です。
また、苦しい体勢でも強引に打ちにいかず、相手に主導権を渡さないコントロールショットに切り替える判断も重要です。
自分が主導権を持っている状態をキープできるよう常に心がけましょう。
安定したフットワークは、後衛のショット精度とスタミナ管理に直結します。
動きの基本は、打つ前の「準備の早さ」と、打った後の「戻りの速さ」です。
自分のポジションを素早く整えることで、次の一歩がスムーズになります。
また、球質や風の影響で思わぬバウンドをする場合には、直前に修正する「小さなステップ」の技術も不可欠です。
ラリーの中で微調整する力が、後衛の安定感を左右します。
逆クロスは後衛にとって、攻めと守りを兼ね備えた有力な選択肢です。
通常のクロスよりも打球角度がつき、相手後衛が追いづらい場所にボールを運ぶことができます。
しかし、リスクもあるため、相手のポジションや前衛の構えを見極めたうえで使用することが重要です。
効果的な逆クロスは、相手の配球のリズムを崩し、自分側の主導権を強める手段となります。
後衛に求められる基本の1つが、安定したロブの技術です。
ロブの高さや深さを自在にコントロールできるようになると、相手前衛の動きを封じたり、相手後衛にプレッシャーをかけたりできます。
重要なのは高さと回転の組み合わせです。
無理に速く打つのではなく、相手のタイミングを外すような山なりのボールを意識してみましょう。
こうすることで、安定感のあるラリー展開が可能になります。
ラリー中、後衛が相手前衛に視線を送ることでプレッシャーを与えることができます。
目線だけでなく、タイミングをずらしたり、一瞬前衛を意識させるような動きを加えることで、相手前衛の飛び出しを抑える効果もあります。
逆に、無警戒でプレーすると相手前衛に積極的に動かれてしまいます。
心理的な駆け引きを意識することが主導権を握るコツです。
後衛にとって、サーブ後の動き方も重要なポイントです。
特にセカンドサービスの後は、相手に狙われやすくなるため、より早くニュートラルなポジションに戻り、前衛の動きも見ながら準備を整えることが求められます。
中途半端な立ち位置では攻めにも守りにも回れなくなりがちです。
自分の打球と相手の打球のスピード差を踏まえて、ベストな位置に素早く入るようにしましょう。
後衛が試合の流れをコントロールするには、テンポを意識したラリー運びが重要です。
たとえば、相手がリズムに乗っている場合は、わざとゆっくりとした展開に変えることでミスを誘うことができます。
逆に、自分たちが優位に立っているときには、テンポを上げて一気に攻め切る姿勢も大切です。
展開を読んで打球のスピードや高さ、打ち方を変えることで、試合全体の流れを自分たちのものにできます。
ダブル後衛と対戦する際には、単調なクロスラリーに持ち込まず、相手の後衛同士の連携を崩す打ち方が求められます。
前衛がいない分ストレートやセンターへのロブを多用したり、左右の深さに変化をつけたりするのがコツです。
相手に的を絞らせないことが大切です。
時にはネットプレーや前衛との連携で意表を突く展開を取り入れると、相手に流れを渡さずに済みます。
ソフトテニスの後衛としてさらなる成長を目指すには、自分の得意なプレーだけに頼るのは良くありません。
ラリー展開・配球・ポジショニング・駆け引きなどのあらゆる面を高める必要があります。
今回ご紹介したソフトテニスの後衛のコツは、いずれも実戦の中で活かせる内容ばかりです。
一つひとつを丁寧に取り組み、試合での再現性を意識して練習を重ねていけば、着実にレベルアップにつながるはずです。
皆さんのプレーがさらに磨かれることを願っています。