ソフトテニスで安定したストロークを打てるようになると、試合中のプレー全体も安定してきます。
ただ「なぜかミスが続く」「ラリーが続かない」と感じることはありませんか?
そうした不安定さの原因は、技術的なことだけでなく、体の使い方や打点の位置、判断のタイミングなど、複数の要素が絡み合っている場合が多いのです。
この記事では、まず前半でストロークが安定しない主な原因を整理し、後半では具体的な改善方法をご紹介します。
自身の課題を明確にし、ひとつひとつ丁寧に改善していきましょう。
ストロークが不安定になるもっともよくある原因のひとつが、「打点が安定していないこと」です。
毎回インパクトの位置が前後にズレてしまうと、ラケット面の角度もブレやすくなり、ミスヒットが増えてしまいます。
この問題の背景には、ボールとの距離感がうまくつかめていないことや、フットワークが不十分であることが考えられます。
どんなボールに対しても自分の理想的な打点に入れるようにしましょう。
まずは「間合いを取る感覚」を磨くことが大切です。
ストロークでは、ラケット面がボールに正確に当たることが不可欠です。
しかし、振り抜く過程で面が開いたり、逆にかぶりすぎたりすると、打球の回転や方向が毎回変わってしまいます。
こうしたブレは、握りのゆるさやグリップチェンジが不十分なこと、あるいはスイングの軌道が不安定なことが原因となっている場合が多いです。
特に、速いテンポのラリーになると焦ってしまい、正しいフォームが崩れやすくなります。
ラリー中、スイングのスピードにムラがあると、それだけでストロークが不安定になります。
たとえば、相手のボールが速いと「速く振らなきゃ」と感じ、自分のスイングのリズムが崩れてしまいます。
逆にゆっくりなボールに合わせて手加減したりしても、スイングを崩してしまう原因となります。
実は、毎回同じリズムでスイングすることが、ミート率やコントロールの安定に直結します。
「当てにいく」のではなく、「振り切る意識」を保ちつつ、自分のテンポでスイングできるようになることが重要です。
ストロークが安定しない人の多くは、上半身だけで打とうとしてしまう傾向があります。
しかし、実際には「下半身からの力の伝達」がとても大切です。
しっかりと体重を乗せて、軸を保ちながらスイングできれば、自然と安定感が生まれます。
逆に、体が流れてしまったり、上半身だけでボールを打っていると、スイングのバランスが崩れ、フォームの再現性も低くなってしまいます。
ボールが飛んでくる方向やスピードの判断が遅れると、準備が間に合わず、無理な体勢で打つことになります。
その結果、スイングも不安定になり、思い通りのショットが打てません。
この「判断の速さ」は、センスや反射神経だけでなく、経験や意識の持ち方でも鍛えることができます。
とくにテンポの速いラリーに慣れてくると、自然と早く準備できるようになります。
打点を安定させるには、「いつも同じ位置でボールを打つ」という感覚を身につける必要があります。
そのためには、ボールの落下点に素早く正確に入るためのフットワークが不可欠です。
たとえば、スプリットステップやサイドステップを意識した練習を取り入れることで、足元から打点を整える感覚が養われます。
球出し練習などで「同じ位置に入る動き」を繰り返すのが効果的です。
ラケット面を安定させるには、インパクトの前後でのスイングの軌道を確認することがポイントです。
スイングの流れがスムーズで、打点前後でも面がブレないようなフォームが作れているか、チェックしてみましょう。
動画撮影で自分のスイングを確認すると、意外な改善点が見つかることもあります。
何より大切なのは「毎回同じスイングができているか」。
この「再現性」が安定したストロークに直結します。
スイングにムラがあると感じたら、まずはゆっくりとしたテンポでスイング練習をしてみましょう。
フォームを意識しながら振る「素振り」や「スローボール打ち」は、リズムを体に覚えさせるのにとても効果的です。
また、力任せに打つのではなく、体全体を使って「一定の力で振る」ことを意識することも、安定感を高めるコツになります。
ストロークを安定させるには、姿勢を保つための体幹と、スイングを支える下半身の筋力が欠かせません。
体幹が弱いと、スイング中にバランスを崩しやすくなり、安定したフォームが保てなくなります。
スクワットやランジ、プランクなどの基礎的なトレーニングを継続的に取り入れることで、プレー全体の安定性が高まります。
判断力を養うには、実戦に近いラリー練習が一番です。
単にボールを打ち合うのではなく、「相手の打球コースやスピードを読む意識」を持ちながらプレーしましょう。
反応が速くなり、より早く準備に入れるようになります。
ペア練習では、テンポの変化に対応する練習や、コースを限定した練習などを取り入れてみましょう。
そうした取り組みが、判断力を鍛え、ストロークの安定につながります。
ストロークが不安定になる原因は、フォームや技術だけではありません。
体の使い方や判断力、リズム感など、さまざまな要素が複雑に関係しています。
しかし、原因をひとつひとつ丁寧に見つけて、正しい方法で改善していけば、ストロークの安定性は確実に向上していきます。
ストロークに安定感が出てくると、自信を持ってプレーできるようになり、試合の流れも自分でコントロールできるようになります。
焦らず、着実に取り組んでいきましょう。