ソフトテニスにおいてアンダーストロークは、ラリーを安定させるための要ともいえる基本技術です。
しかし、ただ打ち返すだけではなく、実戦で活きる質の高いアンダーストロークを習得するには、いくつかの明確なコツがあります。
この記事では、アンダーストロークの精度を高め、試合で通用する打ち方を身につけるための具体的なポイントを10個にまとめて解説します。
アンダーストロークの成功は、打つ前の「構え」でほぼ決まるといっても過言ではありません。
足幅は肩幅よりやや広く、重心はやや前方に置きます。
右利きであれば左足をやや前に出し、両膝を軽く曲げて俊敏に動ける姿勢をとりましょう。
この基本姿勢ができていないと、どれだけスイングを工夫しても、安定したショットにはつながりません。
特に初心者から中級者の間では、構えをおろそかにすることで「準備不足のまま打つ」ミスが多発します。
力のあるボールを打つには、腕力よりも「体の回転」を使うことが重要です。
具体的には、テイクバックで肩と腰をひねり、そのひねり戻しを使ってスイングを始めます。
この腰の回転によって生まれた力を、肩・腕・ラケットへと連動させることで、滑らかで強いスイングが可能になります。
腕だけで打つ癖があると、ボールに伸びが出ず、安定性も落ちるため注意が必要です。
アンダーストロークでは、ラケット面の角度が命です。
理想は、インパクト時にラケット面が少し上を向いている状態。
この角度によってボールに自然な上向き回転(トップスピン)がかかり、ネットを越えて安定した軌道になります。
よくあるミスは、ラケット面が寝すぎて下を向いてしまい、ネットミスにつながること。
逆に上を向きすぎるとアウトになるため、自分の打点と面の角度をセットで意識することが大切です。
どんなショットでも打点がバラつくとミスが出やすくなります。
アンダーストロークでは、体の前方、腰からやや前あたりでボールをとらえるのが理想的です。
打点が後ろすぎると力が伝わらず、前すぎるとボールが浮きやすくなります。
打点を安定させるためには、予測力とフットワークが不可欠です。
ボールの弾道に早く反応し、素早く打点に入ることで、ブレのないショットが打てるようになります。
アンダーストロークで技術以上に大切なのが「足の使い方」です。
良い打点に入るには、構えたあとに一歩目をすばやく出すことが求められます。
特に前後左右への細かいステップができるかどうかが、打点の精度を左右します。
足を止めて打つと、どうしても手打ちになりやすく、ショットに安定感がなくなります。
逆に足を使って自然にスイングに入れれば、体のバランスも崩れにくくなります。
アンダーストロークが安定してきたら、次は「回転のコントロール」に挑戦しましょう。
トップスピンをかけて足元を狙ったり、あえて回転を抑えたフラットショットで深く打ち込んだりすることで、相手のタイミングを外すことができます。
回転の違いは、ラケットの軌道や面の角度、インパクトの位置によって生まれます。
まずはトップスピンとフラットの2種類を打ち分ける練習から始めると、試合での選択肢が一気に広がります。
手首の不安定さは、ミスヒットの原因になりがちです。
特にラケットを振り切る途中で手首の角度が変わってしまうと、打球方向が安定しません。
理想は、スイング全体を通して手首の角度を保つこと。
ガチガチに固めるのではなく、「余計な動きを抑える」というイメージが大切です。
グリップは軽く握り、力を抜くことで、手首の自然な固定がしやすくなります。
ラケットヘッドが下がりすぎることも、ネットミスの典型的な原因です。
テイクバックの際、ヘッドが手元よりも極端に下がると、インパクト時にラケット面が下を向いてしまい、ボールが浮かなくなります。
テイクバックではラケット面をやや下向き、ヘッドが手と同じ高さかやや上程度に保つのがベスト。
スイング中に自然に面が上を向くように意識すると、無理のない打球ができます。
ソフトテニスにおいて基本中の基本ですが、意外と実践できていないのが「ボールを見る」こと。
特に速いラリーでは、打つ瞬間に目線が外れてしまい、芯を外す原因になります。
最後までボールを見続けるだけで、ミスは大幅に減ります。
スイングが体に染み込んできても、目線の集中は常に意識し続けましょう。
漠然と打ち続けるだけの練習では、なかなか技術は身につきません。
毎回のショットに「今日は打点を意識する」「今日は腰の回転を意識する」など、テーマをもって取り組むことが大切です。
また、スマホで自分のフォームを撮影して確認するのも効果的。
動画で客観的に見直すと、自分では気づかない癖やズレがはっきりします。
1球ごとの積み重ねが、試合での実力へと直結します。
アンダーストロークは、ソフトテニスにおけるすべてのショットの土台です。
フォーム・打点・回転・足の動きといった要素をバランスよく磨くことで、ただ返すだけのストロークから、「攻めにつながるストローク」へと進化します。
今日から取り入れられるコツばかりなので、ぜひ練習に活かしてみてください。
継続は力なり!!
地味に見える技術ほど、勝敗を大きく左右します。